北九州記念は2006年から距離が芝1200mに短縮され、サマースプリントシリーズに指定されるとともに、スプリンターズSへ向けた前哨戦のひとつに位置付けられました。
小倉芝1200mはスタートからゴールまで下りと平坦だけを走るコースで、JRAの芝1200mの中でも速い時計が出やすいコース形状になってます。各騎手ともそれはわかっているので、先行争いが激化することが多いです。
出走予定馬・想定騎手
出走可能頭数:18頭/登録頭数:20頭
出走予定馬
馬名 | 性齢 | 騎手 |
エナジーグラン | 牡4 | 亀田 |
クリノマジン | 牡4 | 田口 |
サンキューユウガ | 牡7 | 西村淳 |
シゲルピンクルビー | 牝5 | 高倉 |
ジャスパークローネ | 牡4 | (未定) |
スティクス | 牝5 | 幸 |
ストーンリッジ | 牡6 | 坂井瑠 |
スマートリアン | 牝6 | 柴田善 |
テイエムスパーダ | 牝4 | 今村 |
デュガ | 牡4 | (未定) |
デンコウリジエール | 牡6 | 秋山真 |
トゥラヴェスーラ | 牡8 | 藤岡康 |
ボンボヤージ | 牝6 | 川須 |
ママコチャ | 牝4 | 鮫島駿 |
メイショウゲンセン | 牝6 | (未定) |
モズメイメイ | 牝3 | 松若 |
リプレーザ | 牡5 | (未定) |
レジェーロ | 牝6 | 岩田望 |
ロンドンプラン | 牡3 | 松山 |
ロードベイリーフ | 牡6 | Mデムーロ |
注目馬
本レースの出走予定馬の中から、主な注目馬をピックアップしました。
モズメイメイ
モズメイメイ(牝3)
音無厩舎(栗東)、キャピタル・システム
2023年5月27日 京都 葵ステークス(G3)
1着 (4人気) 芝1200 良 (武豊)
2023年4月9日 阪神 桜花賞(G1)
13着 (7人気) 芝1600 良 (和田竜)
2023年3月4日 阪神 チューリップ賞(G2)
1着 (7人気) 芝1600 良 (武豊)
Memo
前走は手綱をとった武豊騎手も驚くロケットスタートで先手を取り、上がり33.2秒と後続を完封し逃げ切りV。
今年は夏の小倉が1開催少なく、本レースは開幕2週目に組まれており、例年よりも内側の馬場状態が良いことはこの馬にとって、大きくプラスになると考えています。
トゥラヴェスーラ
トゥラヴェスーラ(牡8)
高橋康厩舎(栗東)、吉田照哉
2023年7月2日 中京 CBC賞(G3)
4着 (5人気) 芝1200 良 (藤岡康)
2023年5月13日 東京 京王杯SC(G2)
12着 (8人気) 芝1400 良 (丹内)
2023年3月26日 中京 高松宮記念(G1)
3着 (13人気) 芝1200 不良 (丹内)
Memo
故事成語に「老いてますます盛んなり」という言葉がありますが、その言葉を体現しているかのように、8歳になった今年の高松宮記念(G1)で3着に入るなど、まだまだ重賞でも活躍しています。
戦績を見るとOPレース2勝で重賞に手が届いてないので、年齢的にもここらで重賞初制覇を飾りたいですね。
ジャスパークローネ
ジャスパークローネ(牡4)
森厩舎(栗東)、加藤和夫
2023年7月2日 中京 CBC賞(G3)
1着 (7人気) 芝1200 良 (団野)
2023年6月11日 函館 函館SS(G3)
16着 (10人気) 芝1200 良 (浜中)
2023年5月7日 新潟 駿風S
1着 (1人気) 芝1000 不良 (浜中)
Memo
千直勝利の経験もありますし、個人的にはアイビスSDでも良かったと思いますが、同厩舎のジャングロとの使い分けでこっちに回って来たのかもしれませんね。
前走は開幕週の馬場を活かした逃げで、団野騎手の好騎乗が光りました。今回は斤量が増えるのはネックですが、開幕2週目と芝の状態は良好、前走同様の逃げ粘りを期待したいです。
スマートリアン
スマートリアン(牝6)
石橋守厩舎(栗東)、大川徹
2023年7月16日 福島 福島テレビOP
1着 (5人気) 芝1200 良 (柴田善)
2023年5月7日 京都 鞍馬S
10着 (4人気) 芝1200 不良 (泉谷)
2023年4月9日 福島 モルガナイトS
3着 (4人気) 芝1200 良 (柴田善)
Memo
ここ2年くらい善戦はするものの、なかなか勝ち星に恵まれなかった本馬ですが、前走は中団追走から直線で馬場の真ん中を通って差し切り、久しぶりの勝利を飾りました。
しかし、比較的に外が伸びる馬場状態とOP特別としては薄めのメンバ構成に助けられた感もあります。重賞は5戦してまだ1回も馬券内の3着までに入ったことがないので、今回は真価が問われる1戦になりそうです。
テイエムスパーダ
テイエムスパーダ(牝4)
木原厩舎(栗東)、竹園正繼
2023年7月2日 中京 CBC賞(G3)
8着 (9人気) 芝1200 良 (国分恭)
2023年2月19日 小倉 小倉大賞典(G3)
16着 (13人気) 芝1800 重 (今村聖)
2023年1月29日 中京 シルクロードS(G3)
14着 (9人気) 芝1200 良 (今村聖)
Memo
昨年は小倉の開幕週に行われたCBC賞(G3・芝1200m)で圧巻の逃亡劇を見せ、1:05.8秒の日本レコードで勝利しました。
ただ、当時は48Kgだったので、さすがに斤量に恵まれた感は否めません。その後は54~55Kgを背負って、惨敗を繰り返しているところを見ると、今回も厳しいのかなという印象ですね。
データ分析
過去10年データ、当該コースデータからレース傾向をまとめました。
過去10年データ
本レースの過去10年データ(2013~2022年)傾向は以下のとおりです。
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 2-0-0-16 | 11.1% | 11.1% | 11.1% |
2枠 | 2-1-0-16 | 10.5% | 15.8% | 15.8% |
3枠 | 1-3-0-15 | 5.3% | 21.1% | 21.1% |
4枠 | 1-2-1-16 | 5.0% | 15.0% | 20.0% |
5枠 | 1-1-1-17 | 5.0% | 10.0% | 15.0% |
6枠 | 1-2-4-13 | 5.0% | 15.0% | 35.0% |
7枠 | 0-1-1-24 | 0.0% | 3.8% | 7.7% |
8枠 | 2-0-3-23 | 7.1% | 7.1% | 17.9% |
複勝率は内枠(1-4)17.1%・外枠(5-8)18.1%、走破距離が短くなる内枠ほど複勝率が良くなるのが一般的ですが、それとは逆に北九州記念は外枠の方が良いデータとなっています。
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
逃げ | 0-1-1-8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
先行 | 4-5-2-32 | 9.3% | 20.9% | 25.6% |
差し | 5-2-4-57 | 7.4% | 10.3% | 16.2% |
追込 | 1-2-2-43 | 2.1% | 6.3% | 10.4% |
捲り | 0-0-1-0 | 0.0% | 0.0% | 100% |
ローカル競馬の小回り平坦コース、かつ、フラットな直線の短距離レースということもあり、複勝率は逃げ/先行が24.5%と差し/追込より10%ほど上回っております。
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1 | 0-3-1-6 | 0.0% | 30.0% | 40.0% |
2~3 | 2-2-3-13 | 10.0% | 20.0% | 35.0% |
4~6 | 3-3-2-22 | 10.0% | 20.0% | 26.7% |
7~9 | 4-0-1-25 | 13.3% | 13.3% | 16.7% |
10~ | 1-2-3-74 | 1.3% | 3.8% | 7.5% |
1~3人気の複勝率は約40%弱、他の重賞レースと比較すると、あまり高くない印象です。他に強調するデータもないですが、逆に考えると人気薄でもチャンスはあると思います。
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3歳 | 1-1-2-17 | 4.8% | 9.5% | 19.0% |
4歳 | 2-2-4-15 | 8.7% | 17.4% | 34.8% |
5歳 | 3-7-1-42 | 5.7% | 18.9% | 20.8% |
6歳 | 3-0-3-38 | 6.8% | 6.8% | 13.6% |
7上 | 1-0-0-28 | 3.4% | 3.4% | 3.4% |
連対率に注目すると4歳17.4%・5歳18.9%で、5歳馬が最多で半数を占める10頭が2着以内となってます。また、複勝率では4歳が1歩リードしており、総合すると4歳馬を中心に考えるのが良いと言えそうです。
前走レース名
- アイビスSD(G3):3-3-2-26/34
- CBC賞(G3):3-2-3-36/44
- バーデンBC:2-0-2-19/23
- 佐世保S1600:1-1-1-4/7
- 福島テレビOP:1-0-0-8/9
- 函館SS(G3):0-0-1-7/8
以前は同条件の佐世保Sからのステップが優秀でしたが、今年は前日の8/19(土)に番組が組まれているので、使えないデータとなっております。
前走着順
- 1着:3-8-3-21/35
- 2着:0-1-2-11/14
- 3着:2-0-0-8/10
- 4着:1-0-1-10/12
- 5着:1-0-1-8/10
- 6~9着:2-1-2-35/40
- 10着~:1-0-1-46/48
前走1着が連対率31.4%・複勝率40.0%と2着以下をダブルスコアくらい離しているので、1着馬はプラスになる要素と考えております。
当該コースデータ
2022年以降のレース結果(小倉・芝1200m)を対象にデータを抽出しました。
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 12-9-7-179 | 5.8% | 10.1% | 13.5% |
2枠 | 9-18-12-178 | 4.1% | 12.4% | 18.0% |
3枠 | 12-13-19-175 | 5.5% | 11.4% | 20.1% |
4枠 | 11-17-8-189 | 4.9% | 12.4% | 16.0% |
5枠 | 14-15-10-196 | 6.0% | 12.3% | 16.6% |
6枠 | 18-24-26-168 | 7.6% | 17.8% | 28.8% |
7枠 | 24-21-19-247 | 7.7% | 14.5% | 20.6% |
8枠 | 26-9-25-260 | 8.1% | 10.9% | 18.8% |
複勝率は内枠(1-4)16.9%・外枠(5-8)21.0%、過去10年傾向と同様に外枠が強いデータです。直線の短い小回りコースであれば、内枠有利との印象を持っていましたが、小倉芝1200mに関しては、むしろ逆のようですね。
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
逃げ | 22-24-9-71 | 17.5% | 36.5% | 43.7% |
先行 | 60-54-43-316 | 12.7% | 24.1% | 33.2% |
差し | 37-42-60-663 | 4.6% | 9.9% | 17.3% |
追込 | 7-6-13-541 | 1.2% | 2.3% | 4.6% |
捲り | 0-0-1-0 | 0.0% | 0.0% | 100% |
複勝率は逃げ/先行35.4%と圧倒的に前有利。コチラは直線の短い小回りコースが色濃く反映されたデータと言えるでしょう。
騎手 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
西村淳 | 10-3-9-60 | 12.2% | 15.9% | 26.8% |
藤岡康 | 7-9-2-49 | 10.4% | 23.9% | 26.9% |
松山 | 7-4-1-22 | 20.6% | 32.4% | 35.3% |
幸 | 7-3-6-42 | 12.1% | 17.2% | 27.6% |
松若 | 7-1-2-42 | 13.5% | 15.4% | 19.2% |
西村淳騎手はサンキューユウガ、藤岡康騎手はトゥラヴェスーラ、松山騎手はロンドンプラン、幸騎手はスティクス、松若騎手はモズメイメイに騎乗予定。
厩舎 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
新谷 | 4-5-1-22 | 12.5% | 28.1% | 31.3% |
宮本博 | 4-2-3-6 | 26.7% | 40.0% | 60.0% |
西園 | 3-4-6-29 | 7.1% | 16.7% | 31.0% |
清水久 | 3-4-2-25 | 8.8% | 20.6% | 26.5% |
長谷川 | 3-3-4-12 | 13.6% | 27.3% | 45.5% |
宮本博厩舎からロンドンプランが出走予定。
レース予想
データ分析を踏まえ、本レースの最終見解を発表します。
予想印
◎:⑯スマートリアン
〇:⑱モズメイメイ
▲:⑮ジャスパークローネ
△:⑤エナジーグラン
前日に同条件で行われた3勝クラスの佐世保ステークスでは、メイショウゲンセンがテン3Fを32.8秒で逃げてそのまま押し切り勝ち。
馬場状態が良いこと、逃げ馬が外枠に入ったことを踏まえると、31秒台の逃げもあり得るかもですね~。
しかし、本命はスマートリアンにしました。前走1着馬、外枠がデータ的に好走条件と考えますので、あまり人気はないですが、外差しがハマれば上位も十分期待できると思います。
穴はエナジーグラン。前走大敗したことで評価を大きく落としていますので、内で脚をためて馬群を捌ければ、1発を期待できる面白い存在だと思いますよ!