本競走は「サマースプリントシリーズ」の第5戦に指定され、シリーズ優勝を目指す馬にとって重要な一戦となっています。
また、秋の最大目標とするスプリンターズSへ向けての前哨戦に位置付けられており、2014年から優勝馬にスプリンターズSの優先出走権が与えられております。
そういった背景もあり、有力馬の出走を促進するため、過去に優勝した重賞の格に応じて加増する方式の別定戦で行われます。
出走馬・騎手
出馬表
番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 |
1 | ウォーターナビレラ | 牝4 | リスポリ |
2 | ナランフレグ | 牡7 | 丸田 |
3 | レッドベルオーブ | 牡5 | 松田大 |
4 | キミワクイーン | 牝4 | 横山武 |
5 | ウインマーベル | 牡4 | 松山 |
6 | タイセイアベニール | 牡8 | モリス |
7 | カイザーメランジェ | 牡8 | 江田照 |
8 | シナモンスティック | 牝4 | 松岡 |
9 | ジュビリーヘッド | 牡6 | 西村淳 |
10 | ゾンニッヒ | 牡5 | 武豊 |
11 | ヴァトレニ | セ5 | 横山和 |
12 | トウシンマカオ | 牡4 | 鮫島駿 |
13 | レイハリア | 牝5 | 亀田 |
14 | ナムラクレア | 牝4 | 浜中 |
15 | サトノアイ | 牝5 | 佐々木 |
16 | シュバルツカイザー | セ5 | モレイラ |
注目馬
本レースの出走予定馬の中から、主な注目馬をピックアップしました。
ナムラクレア
ナムラクレア(牝4)
長谷川厩舎(栗東)、奈村睦弘
2023年5月14日 東京 ヴィクトリアM(G1)
8着 (5人気) 芝1600 良 (浜中)
2023年3月26日 中京 高松宮記念(G1)
2着 (2人気) 芝1200 不良 (浜中)
2023年1月29日 中京 シルクロードS(G3)
1着 (2人気) 芝1200 良 (浜中)
Memo
重賞3勝の実績があり、今年の高松宮記念(G1)でも2着に来た、現在のスプリント界で最上位に数えられる1頭だと考えております。
秋のスプリンターズステークスに向けた前哨戦として、ここから始動となりますので、次走につながる競馬を見せてくれることでしょう。
トウシンマカオ
トウシンマカオ(牡4)
高柳厩舎(美浦)、サトー
2023年6月11日 函館 函館SS(G3)
3着 (1人気) 芝1200 良 (鮫島駿)
2023年3月26日 中京 高松宮記念(G1)
15着 (5人気) 芝1200 不良 (鮫島駿)
2023年1月29日 中京 シルクロードS(G3)
4着 (3人気) 芝1200 良 (鮫島駿)
Memo
前走は北海道シリーズ開幕週の馬番①と絶好枠に入ったものの、外枠だったキミワクイーンの豪脚に敗れる形となりました。
3~4コーナー手前で下がってきた馬を捌くのにてこずるシーンもありましたが、思ったより伸びなかった印象なので、巻き返しに期待したいですね~!
ウインマーベル
ウインマーベル(牡4)
深山厩舎(美浦)、ウイン
2023年5月13日 東京 京王杯SC(G2)
2着 (7人気) 芝1400 良 (松山)
2023年3月26日 中京 高松宮記念(G1)
10着 (6人気) 芝1200 不良 (松山)
2023年1月29日 中京 シルクロードS(G3)
7着 (4人気) 芝1200 良 (松山)
Memo
昨年の3歳時に本レースに出走し2着、1年の月日を経て今年もキーンランドCへ出走の運びとなりました。
3走前が59Kg、前々走は不良馬場でともに着外に敗れておりますので、馬券を検討する上で斤量と馬場状態は少し気にした方が良いかもしれません。
キミワクイーン
キミワクイーン(牝4)
奥村厩舎(美浦)、浦邊輝實
2023年6月11日 函館 函館SS(G3)
1着 (3人気) 芝1200 良 (横山武)
2023年4月16日 中山 春雷S(L)
2着 (3人気) 芝1200 重 (横山武)
2023年3月4日 中山 オーシャンS(G3)
12着 (4人気) 芝1200 良 (岩田康)
Memo
デビュー当初は1400~1600mを中心に使われていましたが、昨年の秋からスプリント専に転向し、それが好成績に結びついている印象を受けます。
オーシャンSは崩れたものの、それ以外の1200m(全5戦)は2着以内、前走と同じ洋芝の舞台で重賞を制した勢いをそのままに、ここでも十分勝ち負けできると思います。
ゾンニッヒ
ゾンニッヒ(牡5)
池江厩舎(栗東)、金子真人HD
2023年6月24日 函館 青函S
1着 (2人気) 芝1200 稍重 (武豊)
2023年5月13日 東京 京王杯SC(G2)
6着 (3人気) 芝1400 良 (レーン)
2023年4月1日 中山 ダービーCT(G3)
3着 (5人気) 芝1600 良 (菅原明)
Memo
初の1200m戦となった前走ですが、外枠スタートから先団を楽に追走し、直線差し切って2馬身差の快勝でした。
スプリント適正は十分だと思いますが、前走より相手が格段に強くなる点が少し不安材料でしょうか。
シュバルツカイザー
シュバルツカイザー(せん5)
大竹厩舎(美浦)、ゴドルフィン
2023年7月23日 札幌 しらかばS
1着 (2人気) 芝1200 良 (池添)
2023年6月18日 函館 UHB杯
1着 (3人気) 芝1200 良 (池添)
2023年4月29日 京都 朱雀S
6着 (9人気) 芝1200 良 (国分恭)
Memo
函館→札幌のスプリント戦を連勝後、短期放牧を挟んで、このレースに照準を合わせて来ました。
マッドクールと同じDark Angel産駒、1200mが強い印象が植え付けられてきたと思うので、重賞初制覇に期待します。
データ分析
過去10年データ、当該コースデータからレース傾向をまとめました。
過去10年データ
本レースの過去10年データ(2013~2022年)傾向は以下のとおりです。
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 1-0-1-16 | 5.6% | 5.6% | 11.1% |
2枠 | 0-0-2-15 | 0.0% | 0.0% | 11.8% |
3枠 | 0-2-0-17 | 0.0% | 10.5% | 10.5% |
4枠 | 2-2-1-15 | 10.0% | 20.0% | 25.0% |
5枠 | 0-1-2-17 | 0.0% | 5.0% | 15.0% |
6枠 | 3-2-0-15 | 15.0% | 25.0% | 25.0% |
7枠 | 3-1-2-14 | 15.0% | 20.0% | 30.0% |
8枠 | 1-2-2-15 | 5.0% | 15.0% | 25.0% |
複勝率は内枠(1-4)14.9%・外枠(5-8)23.8%、内側の馬場が痛んでいる夏の札幌の後半に開催されることもあり、外枠有利の傾向が顕著に出てると言えるでしょう。
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
逃げ | 2-1-2-5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
先行 | 1-3-2-32 | 2.6% | 10.5% | 15.8% |
差し | 6-4-5-39 | 11.1% | 18.5% | 27.8% |
追込 | 1-2-1-47 | 2.0% | 5.9% | 7.8% |
捲り | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
複勝率は逃げ/先行22.9%・それ以外が17.9%、特筆すべきデータとしては、逃げの複勝率が50%あります。出走メンバにもよりますが、逃げ濃厚の馬がいれば、おさえておきたいです。
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1 | 2-3-1-4 | 20.0% | 50.0% | 60.0% |
2~3 | 3-4-2-11 | 15.0% | 35.0% | 45.0% |
4~6 | 3-1-4-22 | 10.0% | 13.3% | 26.7% |
7~9 | 1-2-3-24 | 3.3% | 10.0% | 20.0% |
10~ | 1-0-0-63 | 1.6% | 1.6% | 1.6% |
2017年に勝利したエポワス(12番人気)以外の10番人気以下は全て馬券外となってます。下位人気の馬は大幅に割り引きたいと考えております。
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3歳 | 2-3-0-20 | 8.0% | 20.0% | 20.0% |
4歳 | 3-4-3-23 | 9.1% | 21.2% | 30.3% |
5歳 | 4-2-4-30 | 10.0% | 15.0% | 25.0% |
6歳 | 0-1-1-25 | 0.0% | 3.7% | 7.4% |
7上 | 1-0-2-26 | 3.4% | 3.4% | 10.3% |
3歳~5歳馬が連対率(15~20%強)、複勝率(20~30%)と優秀で中心視すべきとの印象。6歳以上の馬は多少、軽視しても良いのかなと思ってます。
前走レース名
- 函館SS(G3):3-2-2-24/31
- UHB賞:2-3-2-44/51
- アイビスSD(G3):2-0-1-15/18
連対率・複勝率は函館SS(G3)組が若干良いものの、そこまで強いデータではないので、前走レースはあまり気にする必要はないと考えております。
前走着順
- 1着:2-5-3-19/29
- 2着:2-1-0-16/19
- 3着:1-1-1-11/14
- 4着:0-0-0-8/8
- 5着:0-1-0-5/6
- 6~9着:4-1-4-28/37
- 10着~:0-1-2-36/39
複勝率が良い順に並べると、1着(34.5%) > 6~9着(24.3%) > 3着(21.4%) > ・・。これといった特徴はナシですね~。
当該コースデータ
2021年以降のレース結果(札幌・芝1200m)を対象にデータを抽出しました。
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 7-4-7-82 | 7.0% | 11.0% | 18.0% |
2枠 | 5-10-14-74 | 4.9% | 14.6% | 28.2% |
3枠 | 1-10-6-92 | 0.9% | 10.1% | 15.6% |
4枠 | 5-9-4-95 | 4.4% | 12.4% | 15.9% |
5枠 | 10-4-6-96 | 8.6% | 12.1% | 17.2% |
6枠 | 11-11-4-91 | 9.4% | 18.8% | 22.2% |
7枠 | 12-5-9-93 | 10.1% | 14.3% | 21.8% |
8枠 | 13-11-14-85 | 10.6% | 19.5% | 30.9% |
複勝率は内枠(1-4)19.3%、外枠(5-8)23.2%。下位条件レースも含めたデータでこの結果ですので、札幌芝1200mは外枠有利と言っても過言ではないでしょう。
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
逃げ | 10-11-12-31 | 15.6% | 32.8% | 51.6% |
先行 | 29-24-31-146 | 12.6% | 23.0% | 36.5% |
差し | 21-24-18-273 | 6.3% | 13.4% | 18.8% |
追込 | 4-5-3-258 | 1.5% | 3.3% | 4.4% |
複勝率は逃げ/先行39.8%・それ以外が12.4%。スプリント戦は前有利のデータになることが一般的なので、その傾向が顕著に出ております。
騎手 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
横山武 | 9-7-6-21 | 20.9% | 37.2% | 51.2% |
丹内 | 6-3-4-36 | 12.2% | 18.4% | 26.5% |
武豊 | 5-6-2-14 | 18.5% | 40.7% | 48.1% |
ルメール | 5-4-0-9 | 27.8% | 50.0% | 50.0% |
藤岡佑 | 4-6-4-15 | 13.8% | 34.5% | 48.3% |
横山武騎手はキミワクイーン、武豊騎手はゾンニッヒに騎乗予定。
厩舎 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
大江原 | 3-1-1-4 | 33.3% | 44.4% | 55.6% |
奥村 | 3-0-1-4 | 37.5% | 37.5% | 50.0% |
大竹 | 3-0-0-3 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
須貝 | 2-2-1-3 | 25.0% | 50.0% | 62.5% |
吉村圭 | 2-1-0-4 | 28.6% | 42.9% | 42.9% |
奥村厩舎からキミワクイーン、大竹厩舎からシュバルツカイザー、須貝厩舎からサトノアイが出走予定。
レース予想
データ分析を踏まえ、本レースの最終見解を発表します。
予想印
◎:⑩ゾンニッヒ
〇:⑭ナムラクレア
▲:④キミワクイーン
△:⑨ジュビリーヘッド
⑭ナムラクレアが実力/実績ともに1枚上なことは明らかと思いますが、外差し傾向の洋芝かつ雨予報でパワーも必要と考え、前走函館の稍重で勝利した⑩ゾンニッヒを本命としました。
▲は④キミワクイーン。
内枠の分だけ少し評価を下げましたが、馬群を捌いて前走のような差し脚が出れば、重賞連勝も十分あり得ると思います。
△は⑨ジュビリーヘッド。
確固たる逃げ馬は不在ですが、⑧シナモンスティックが逃げるなら、番手の外側で競馬できると思いますので、前にいく馬で穴を狙うならこの馬だと考えました。
なお、印は回りませんでしたが、個人的に注目しているのは⑤ウインマーベル。実績は一枚上ながら思ったほど人気がないです。(前日夜時点では7番人気で13.7倍)
ただ、馬場が渋ると戦績がガクっと落ちるので、当日もし良馬場なら買い目に入れても良いかもしれません。